Panasonic GH5のここが使える(実用編)

gh5

先日、Panasonicの「LUMIX DC-GH5」が国内発表されました。
発売日は2017年3月23日とのこと。
来月のCP+で実機を見るのが楽しみですね。

先代のGH4が発売されたのは2014年、3年ぶりのリニューアルとなります。

私は、GH2から使い始めて、AG-AF105(m4/3レンズ交換式の業務用ビデオカメラ )、GH4と使い続けてきました。
現在、GH4は2台所有してバリバリ稼働中です。

このGH5のどこがすごいかというと、今、考えうる最高スペックの映像技術を「全部入り」して来た点。

詳細スペックはいろいろな方が書いていますので検索していただくとして、映像作家目線で「実用面でここが使える」という点を書いてみたいと思います。

ボディ内手振れ補正とローリングシャッターの軽減が、4K動画のクオリティをアップさせる

・ボディ内手振れ補正

5軸手ブレ補正を内蔵したことで、かなり動画機として使いやすくなりました。
すでにGX7markIIで搭載されていますが、手振れ機構の付いていなかったレンズでも、ボディ内手ぶれ補正が有効となります。
手持ち撮影で使用できるレンズの幅が増えたという点は、非常にポイントが高いです。

・ローリングシャッターの軽減

センサーの読み出し速度が1.7倍となったことで、ローリングシャッターが軽減されました。
ローリングシャッターとは、例えば電車から外を撮影したとき、電線柱などが斜めになってしまう現象のことです。センサーの読み出しスピードの限界から起こります。数値的にいえば、GH5は1.7倍歪まなくなると言うことになります。

GH4では4Kの手持ち撮影が非常に厳しかったのですが、それは、このローリングシャッターが4Kだと顕著に現れ、手持ちの「ブレ」と相まって使えないくらい像が乱れてしまうから。

これらの2点は、手持ちの4K撮影の映像のクオリティを間違いなくアップしてくれるポイントです。

また、最大のメリットが、手ぶれ補正のなかった短焦点レンズも、ボディ内手ぶれ補正が効く、という点です。

例えば、これまでどうしても手振れ補正なしで使わざるを得なかったLEICA DG SUMMILUX 25mm。もしくはNOKTONシリーズ。
個人的にはこれらの手振れ補正が効くようになるのは大きいです。

センサークロップなしで4K撮影

通常マイクロフォーサーズの規格はセンサーの大きさからレンズの焦点距離が2倍になります。例えば、標準の50mmの画角の写真を撮りたいと思ったら、25mmのレンズを使う必要があります。

GH4の動画では、4Kの撮影時、センサーの読み出し範囲が限定されていたので、2.3倍の焦点距離になっていました。これをセンサークロップといいます。
例えば25mmのレンズなら、25mm×2.3=57.5mmと非常に中途半端な焦点距離でした。

単焦点レンズを使っていて、画角の感覚が身についている人ほど、この数字は非常に気持ち悪いです。私の場合、特に35mmと50mmは、パシッと画角が決まって欲しい…。

GH5では、センサークロップがなしになったので、50mmの画角なら25mmレンズを使用すれば良いことになります。

ディアルSDカードスロット

このデュアルSDカードスロットの搭載で、業務機として本格的に使用できるボディになったと思います。
業務で一眼を使っていて最大のネックとなるところが、GH4までの機種だとSDカードスロットが1枚しかない点です。
SDカードのトラブルにあったことは一度もありませんが、SDカードを手渡しする際、パチッという静電気でデータが飛んだとか、カードリーダーのトラブルでデータが壊れたとか、恐ろしい話はいくつも聞きます。

これまでGH4では外部レコーダーをつけるしかありませんでしたが、GH5は2枚のSDカードに同じデータを書き込めますから、非常に安心感が高いです。

HDMI端子がフルサイズに

趣味で使われたり、機動性を重視する映像作家さんには関係ないかもしれませんが、撮影では、外部モニターを付けることが多いです。
これは、本体の小さいモニターではフォーカスが合わせにくいこと、また、現場の人数が多ければ、必然的に大きなモニターで見ないとみんなが確認しにくいためです。

GH4のHDMI端子は、mini端子なので、非常に抜けやすく壊れやすいものでした。
私はこれまで壊したことはありませんが、映像関係の人で、GH4のHDMI端子を破損した人はかなりの数になるのではないでしょうか。

そもそもHDMI端子は民生規格で信頼性が低いのですが、これがminiからフルサイズの端子になったことで、安堵している人は少なくないと思います。

また、HDMIケーブルをロックするホルダーが同梱しているので、現場での運用性がかなり上がりました。

4K60P収録

GH4では4Kは30P(1秒間に30コマ)しか記録できませんでした。
例えば、放送用の映像は主に60i(1秒間に60コマのインターレース)となりますから、放送ではメインに使えませんでした。
(基本的に放送用途で一眼レフは使用しませんが)

これがGH5で60P記録が出来ることで、GH5で収録した映像使用できる媒体が増えることになります。

また、60Pで撮影した映像を30Pや24Pに変換し、スローモーション効果を得ることができます。今の映像編集ではスローモーションは必須の演出なりますので、この点は非常に使えるかと思います。

そしてフルHDでは180fpsで撮影可能ということで、ようやく他の動画機のレベルに追いつきました。

波形モニター・ベクトルスコープ表示

撮影で重要なのは、適正な露出で撮影することです。
簡単に言えば、白飛びしていないか、黒つぶれしていないか、という点になりますが、これまでは、ヒストグラムで判断するしかありませんでした。
私がGH2からAG-AF105という業務用ビデオカメラにスイッチして、もっとも使いやすかったのは、波形モニターが表示されることでした。

波形モニターは撮影している映像の輝度がひと目で分かるので、見方さえわかれば非常に重宝します。

これを搭載したことで、映像のプロに満足して使ってもらうという気概が感じられます。

DMW-XLR1マイクロフォンアダプター

業務用途で一眼レフが最もNGな点が、音声まわりの弱さです。
一応ピンジャックなどで入力できますが、プロの仕様はXLRのキャノン端子が一般的です。
音声も録音する必要がある場合、どうしてもGH4を現場に持っていく気にはなれませんでした。
GH5では、DMW-XLR1という別売りのXLRユニットが発売になりましたので、これで音声まわりが一気に解決したことになります。

10bit 4:2:2 4K VIDEO

GH4では、内部記録は8bitで10bit記録するには外部レコーダーが必要でした。
GH5は内部記録で10bit 4:2:2で撮影できるようになったのは、非常に評価できる点かと思います。
また、GH5の新しいセンサーは、ノイズも少なく、非常に画質もアップしています。
log撮影など、グレーディング(色調整)前提での撮影では、色情報の多い10bit記録は必須です。

ただ、データ量は大きくなりますので、長尺の撮影は従来の8bitでするなど、ケースバイケースで選択することになるでしょう。

その他にも6KフォトやAFの進化など、新機能が盛り沢山なGH5ですが、動画機として非常に魅力的で気合の入った機種になりました。
これで実売24万円前後は、かなり「安い」動画機と言えます。

今回のGH5の特徴は、特に、映像業界の人が「この機能があったら現場で導入しやすいのに」というポイントをすべて網羅してきた点にあります。

ただし、スペックが良いから良い映像が撮れるということは全くなく、ここ数年で発売された機種なら実用上、映像のクオリティはなんの問題もありません。

GHシリーズがここまで熟成してきたことに感慨深いものがありますが、手にする人の技術もアップしていく必要がありますね。

この記事を書いた人:miya

映像ディレクター/ビデオグラファーとして活動しています。企画から撮影編集まで、映像のことならなんでもこなします。撮影・監督した短編映画が海外映画祭で上映されました。お仕事のご依頼は宮部映像事務所まで。

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